相模原市職員定数条例改正で職員420人増へ
- 慧 務川
- 3月28日
- 読了時間: 3分
令和6年12月定例会で職員定数条例が改正されました。この条例改正により、令和7年度から職員定数が420人増え、今後3年間を通じて市は新規採用者数を増やします。今回の増員により、職員数(市内人口あたり)は政令市平均並みの水準に届きます。これまでにない大胆な政策決定です。
増え続ける業務負担の軽減、
働きやすい職場環境の実現のために
昨今、あらゆる業界で人手不足が深刻化していますが、行政においてもそれは同じです。
過去20年で、保育等子育て支援や障碍者福祉サービス、介護事業、生活保護事業は著しく拡大しました。また、下水道や学校施設をはじめとした公共施設の改修時期が一斉に到来しており、さらに本市はリニア周辺や相模原北口、麻溝台・新磯野地区の新しいまちづくりがスタートするなど、行政事務量が急増していおり、行政職員数は十分といえません。
また、決して多いといえない人員体制のもと、職員にかかる過大な事務負担を要因として、長時間労働は常態化。精神疾患で休業する職員は158名(他の政令指定都市より10%多い)いるほか、新規採用者と同規模の自主退職者が生じるなど、職場環境の悪化は議会でも問題視されてきました。
これらの課題のため、人員増は不可欠。長時間勤務の是正や、育児休業を取得する職員の代替を確実に配置できるようする等、職員の労働環境を大幅に改善するため、定数420人増の改定に踏み切りました。
職員増への課題① 恒久財源確保
定数増を決断したとはいえ、実際の人員確保へは課題もあります。まずは財源の確保です。今回の定数増で、新たに必要となる人件費は毎年20億円。そのうち10億円は職員一人一人の残業を減らすことによって確保すると市は説明しています。しかし、あくまで想定の数字に過ぎず、確保した人員増を実際の残業縮減へつなげる工夫が必要です。残りの10億円については、市の一般会計から確保するとしていますが、より具体的な財源確保論(何かの事業を止めることで財源捻出するのか、市税の近年の増収分から確保するのか)は市議会総務委員会において詳細に議論されずじまいでした。この点、引き続き制度設計に綻びはないか、私も議会側の立場から行政を監視してまいります。
職員増への課題②
人材の質を維持できるか
人材の質をこれまで通り維持できるかどうかも課題です。ここ数年相模原市採用試験の受験者数は減少傾向にあります(令和3年度は受験者2016人、令和5年度は受験者1411人)。受験者が減る今、採用者数を増やそうとするのだから、採用基準が甘くなってしまわないだろうか。この指摘に対し、市は「試験の平均点をさげるつもりはない。」旨の答弁をしていますが、平均点が変わらずとも、採用のボーダーを引き下げれば採用者数を増やすことができます。この答弁では質の担保の保証となっていません。より多くの受験者を確保した上で、採用人数をふやしていくことが人材の質の維持には不可欠です。
多くの挑戦者を求めます
是非、当記事を読まれている皆さまや、皆様のご親族・ご友人・知人の方々に、相模原市行政職の採用試験へ挑戦していただきたいと思います。
募集枠や採用までの流れは上図に記載の通り、高校卒業程度・大学卒業程度・社会人採用等にそれぞれ区分され、受験時期が異なります。この点に留意ください。
この先10年は、市にとって正念場です。新たなまちづくり事業が進み、教育・福祉政策に変革が求められる時代です。市の70年の歴史でも類を見ない変革の10年となることでしょう。その一翼を担う栄えある職業が、相模原市職員です。当市議会とも侃々諤々の議論を通じてよりよい政策作りに邁進していきましょう。市職員採用試験への挑戦をお待ちしております。
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