私たちの家庭などから出るごみは、清掃工場で焼却し、残った灰等は「一般廃棄物最終処分場」で埋立てられます。
現行の処分場は峰山霊園の向かい側(右下図)に位置していますが、令和19年度で一杯となる見込み。その後使うことになる「次期最終処分場」の候補地は、市の審議会の答申により①現行処分場の隣のエリア(麻溝地区・右下図)、②緑区津久井根小屋地区(左下図)に絞られています。
他方、両地区の住民の一部から「整備反対」の声が挙がっており、候補地の最終選定には、判断材料となる客観的な情報が不可欠です。その上で、住民との合意形成を図る必要があります。本記事では、候補地選定の判断材料となる客観情報を整理しお伝えします。
中央区や緑区に
候補地はない?
まず中央区田名や緑区大沢などの広大な土地が候補地とならなかったのでしょうか。それには理由があります。田名や大沢の土地は法律によって農業振興地域(以下農振地)に指定されているからです。農振地でなく、9.4ha以上ある敷地が田名・大沢ではみつからなかったのです。また農振地の解除(農地転用)は、農振地でない土地が市内に存在する限り禁止されています。
そして、候補地となっている現行処分場の隣のエリアや津久井根小屋地区は農振地に指定されていません。
津久井山間地
3つの課題
津久井根小屋の山間地へ最終処分場を整備する場合、3つの課題があります。①当該地は地権者と神奈川県が「水源林整備事業協定」を結んでいる地域であり、協定解除の地権者・県間の合意が必要なこと、②北清掃工場、南清掃工場から距離が遠く、運搬の人的・財的・環境的コストがかかること、③山間地への整備コスト(道路付け)等で、数十億円の財政コストが住民にふりかかることです。
麻溝、無条件での受入れは不可
客観的に、津久井の課題をみれば麻溝地区がより有力な候補地となります。
しかし、このまま3期連続で当該地区に処分場を設置することを、簡単に受け入れてよいのでしょうか。
先般、私は市民環境経済委員として、福島市の大館山に整備された最終処分場を視察。当地では、地元住民の反対がなかったため合意に至りやすかったものの、住民から「生活道路の新設・改良」や「地域振興の助成金交付」の要望があり、福島市はそれに最大限応えています。
麻溝での整備を受け入れる場合、こうした地元への還元策が不可欠でしょう。私も議会を通じて引き続き強く要望してまいります。
決まらないことのデメリット
実は、処分場の候補地が麻溝・津久井に絞られてから既に2年以上が経過しています。この間、候補地の地権者より「(自分の土地が処分場となるのか)早く決まらないと事業計画が立てられず困まる」との声を伺っています。こうした地権者の負担は既に生じ始めているほか、何より最終処分場が決まらないことは、衛生的で安全な生活環境を確保することが困難となります。
以上、様々な要素が絡む中、丁寧な議論を継続しながらも、選定地の合意がそろそろ必要です。 私も議論に決着がつくよう引き続き取組んでまいります。
ごみ減量に向け
ごみの有料化検討開始
最終処分場は今後も必要ですが、ごみの減量化、分別等の取組みを更に進めることで、最終処分場の延命ができます。処分場整備を抑制するため、ごみ減量化の有効策である「有料化」の議論は避けられません。 町田市や八王子市、大和市等近隣市は既に有料化を実施している中、市は昨年度、有料化(と戸別収集)導入の調査を実施しました。結果、有料化では、ごみの排出量が多い市民と少ない市民の費用負担の公平性や、 15-20%のご排出抑制効果、資源回収量の増加のメリットが見込まれることがわかりました。市の「廃棄物減量等推進審議会」では、ごみ収集の有料化(と戸別収集)の議論を本年度から開始されています。今後、議会でも議論が本格化していきます。
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