◆９番（務川慧議員）
続いて、持続可能な地域交通の確保についてでございます。バス事業者における運転士不足に伴って、市内各地で減便が実施されていますが、その状況を伺います。
こうした中、９月６日に開催された地域交通活性化協議会において、神奈川中央交通から、今後も運転士不足がさらに深刻化し、現在の輸送サービスの維持が困難となることが見込まれると。ですから、市と協議することについてという発言があったと伺っています。バス事業者から協議の申出がなされたんでしょうか。また、申出がなされたのであれば、どのような対応をしたのか、今後協議に応じる予定なのか伺います。
次に、代替手段の確保について。もしバス路線の維持が困難となった場合、市ではどのような移動手段を確保していく考えなのか伺います。また、神奈川中央交通は、平塚市と協働で自動運転バスの実証実験を行っています。本市においても運転士不足の時代に備えるため、例えばグリーンスローモビリティの自動運転化といった事業について実証実験を開始すべきと考えますが、見解を伺います。
以上で、１問目といたします。
◎本村賢太郎市長 初めに、路線バスの減便状況についてでございます。神奈川中央交通は、本年３月及び４月のダイヤ改正において、市内のバス路線９７系統で、平日、土曜日、休日を合わせて１０％程度減便いたしました。
次に、バス事業者からの協議の申出についてでございます。本年６月１０日、神奈川中央交通より、現在の運行水準に対して、令和１２年度にはドライバーが２５％不足する見込みであるとして、交通需要に応じた今後の地域交通の在り方に関する協議の申出がありました。これを受けて、同月１９日に現状のバス路線を維持するよう要望書を提出し、７月１０日には私が同社取締役社長と直接お会いし、協議を開始したところです。
次に、移動手段の確保についてでございます。今後もドライバー不足等に起因するバス路線の減便や廃止などが懸念されることから、福祉施設や学校、企業などの車両やドライバーといった地域の輸送資源を最大限活用し、交通事業者以外の協力も得ながら、移動手段の確保に努めてまいります。また、自動運転につきましては、地域交通のドライバー不足解消に大きく貢献することから、実証実験を先行実施している他自治体の取組を参考にしながら検討してまいります。
◆９番（務川慧議員） 再質問です。
地域の交通需要に即した持続可能なモビリティサービスの在り方について、協議の申出があったとのことですが、具体的にどういった協議を求められているのか伺います。
◎廣田信之まちづくり推進部長 将来的なドライバー不足を見据え、路線の統廃合や他の交通モードへの転換を含めた様々な対応について協議の申出を頂いたところです。
◆９番（務川慧議員） 統廃合ということで、もし再編や廃止となれば、今、減便されていますけど、それよりもさらに地域の負担は大きくなります。現在、交通事業者と協議中とのことですが、今後、どういったスケジュールで取り組むのか伺います。
◎廣田信之まちづくり推進部長 バス事業者からは令和８年度末までに協議を完了したいとの意向が示されておりますが、具体的な進め方については、今後調整することとなっております。
◆９番（務川慧議員） ぜひ慎重に協議を進めていただくとともに、市民への周知については特段の配慮をお願いいたします。
続いて、代替手段の確保についてです。地域の輸送資源を最大限に活用するとの答弁がありましたけれども、この答弁の趣旨の中に乗合タクシーですとか、そういった輸送資源、既存のコミュニティ交通が含まれているのか伺います。
◎廣田信之まちづくり推進部長 地域の輸送資源の中には、乗合タクシー等、既存のコミュニティ交通も含まれております。
◆９番（務川慧議員） しかしながら、タクシー業界ですら人手不足なんですね、バスだけに限りません。ライドシェアを導入したとしても、どれだけドライバーが確保できるか不明瞭なんですね。ですから、近い将来、人手の要らない自動運転サービスの導入というのは不可欠だと私は考えています。
ところで、橋本の「ＦＵＮ＋ＴＥＣＨ ＬＡＢＯ」への参画ですとか、田名のＧＬＰアルファリンク相模原での実証実験を進めているティアフォーという会社があるんですね。自動運転のサービス事業者でございます。神奈川中央交通と今後協議していくのであれば、このティアフォーも交えながら、代替手段としての自動運転サービスの確立についてもぜひ議題として取り扱っていただきたいです。見解を伺います。
◎廣田信之まちづくり推進部長 持続可能な移動手段の確保に向けまして、あらゆる可能性を検討する必要があると考えております。そのため、自動運転の導入による路線維持を含め、今後協議してまいります。
◆９番（務川慧議員） よろしくお願いいたします。
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以上が９月定例会での私の質疑録です。
その後、本村市長が神奈中バスとの協議の場において、「自動運転バスの導入」についても依頼をしてくださいました。
また、地域ボランティアの皆様と春先頃？ティアフォーが田名で実施するグリスロ車両による自動運転事業の視察にもお連れできるよう、調整中です。
以下、市政レポートvol14（令和７年１号）にて述べた論考を記載しておきます。
公共交通手段の将来を考える
～神奈中バスは令和９年度、更なる減便か～
令和６年９月の私の議会質問で、神奈中バスから相模原市に対し、「令和８年度までに“既存バス路線の統廃合”について市と協議を完了したい」との打診があったことが明らかになりました。
昨年のダイヤ改正で既に市内１０％の減便が実施されたばかりです。そこへたたみかけるように“バス路線統廃合”の打診があったことは大変遺憾です。しかし現実問題として、神奈中バスのドライバーは５年後さらに２５％人員不足となる見込みであり、市内バス路線の統廃合（路線の再編・廃止）は差し迫ったものであると受け止めざるを得ません。もし神奈中バスの考える通りに市との協議を終えた場合、令和９年度から、統廃合が実施されることも予想されます。
代替手段の確立が急務
だからこそ、相模台地区の「乗合タクシー事業」や新磯地区の「グリーンスローモビリティ事業」など新たな交通手段の実証実験を成功させ、市内に広く実装させることが急務といえます。
相模台の「乗合タクシー」は昨年２か月間の実証実験を行い、６６便を相模台地区内に稼働させました。延べ８４名利用、稼働率は２１．２％と低調であったことが目下の課題です。現在、市は予約方法の見直しや運行時間の拡大等の見直しを行い、再度実証実験を行う予定です。
「グリーンスローモビリティ事業」は約１年半にわたる実証実験（現在継続中）の結果、新磯地区で本格運行の条件を達成する見込みです。課題は、車両ドライバーとなる地域ボランティアの方々に大きな負担が生じており、持続可能性が疑問視されていること。他方で、北里・上鶴間地区からも導入への関心の声があがっており、令和７年度は新磯だけでなく、他地域へ導入の公募がかけられる予定です。(この公募は相武台・麻溝地区にとっても早期導入の好機です）。
グリーンスローモビリティ事業と、民間の自動運転サービスとの統合を進める。
グリーンスローモビリティは今後、市内でさらに実績を積み重ねていきます。課題のドライバー確保については、グリーンスローモビリティの自動運転車両化で解消を図るべきです。そうすれば、神奈中バス“路線統廃合”への対応策として有効打となり得ます。
すでにサンフランシスコで事業化されているgoogleの自動運転タクシーサービスですが、本年より日本に進出することになりました。まずは収益化が見込める都内から普及していきますが、自動運転サービスが全国どこでも日常的な光景となるのも、そう遠い未来ではないでしょう。相模原市では、田名のＧＬＰ物流施設内で、自動運動車用システムの開発を手掛けるティアフォー社がグリーンスローモビリティにセンサーを取り付け自動運転車両として運行させています。
こうした民間の技術を、新磯地域のグリーンスローモビリティ実証実験で蓄積たノウハウと統合させることが、私の次年度の政策課題です。地域の方々とティアフォー社、市の交通政策課とをつなぎ、実現に向けた一歩を踏み出します。加えて、自動運転サービスの最大の課題である収益化の問題を乗り越えるため、財源確保の議論にも切り込みます。引き続き、他自治体に先駆けた地域交通の新しい在り方を熟慮してまいります。今後の活動にご期待ください。
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